BINDのバージョン情報はセキュリティ面から、開示されるべきではありません。

digコマンドを利用すれば簡単にBINDのバージョン情報を調べることが出来ます。

$ dig @dns-test.com chaos txt version.bind

BINDのバージョンを書き換えるには、opitonステートメント内の「version」を以下の様に書き換えます。
options {
	version "Unknown";
};
こうすることで、外部に公開するバージョン情報が"unknown" となります。


本日はココまで!

今回の講義で覚えておいてもらいたい点は以下のとおり

・BINDのバージョン情報は外部に見せないようにすること
・optionステートメントの「version」 を書き換えることで隠蔽することが出来る。


大規模なWEBサイトを運営するときに、複数台のWEBサーバを構築し、各サーバに処理を振り分けることによって負荷を分散することができます。
利用される技術の1つに「DNSラウンドロビン」があります。

DNSラウンドロビンの概念は到って単純です。
複数台のWEBサーバに異なるIPアドレスが振られている状態で同じFQDNを付けるといった方法です。

設定の仕方は簡単です。
ゾーンファイルに同じFQDNのレコードを書けば良いのです。

www.dns-test.com.   1200   IN    A    1.1.1.3
www.dns-test.com.   1200   IN    A    1.1.1.4
www.dns-test.com.   1200   IN    A    1.1.1.5
www.dns-test.com.   1200   IN    A    1.1.1.6


このようにすると、リゾルバからwww.dns-test.comへの問い合わせがあった場合に上から順にIPアドレスを返します。

ラウンドロビンを行なう場合は、各レコードのTTL値を小さくする(数分程度)に設定し、できるだけ頻繁にアクセス先を変更するようにするのが良いとされています。

DNSラウンドロビンはメールサーバでも使用できます。MXレコードに対して行なうことも可能です。この場合は、MXレコードのプリファレンス値を同じ値に設定しておきます。

dns-test.com.    IN    MX  10    mail01.dns-test.com.
dns-test.com.    IN    MX  10    mail02.dns-test.com.

dns-test.com.    IN    MX  10    mail03.dns-test.com.


※DNSラウンドロビンは障害発生時の障害検知が出来ない問題があるので、最近はクラスタリングなどの他の負荷分散方式が使われることも多いようです。



本日はココまで!
覚えておいて頂きたい点は以下のとおり。

・DNSラウンドロビンは、同じFQDNで複数のレコードを書くことで、順番にIPアドレスを返す方法です。

DNSサーバが使用するメモリ量を制限するには以下、3つの方法があります。


1 キャッシュに利用するメモリ量を制限する。

named.confファイルのoptionステートメントに「max-cache-size」を指定します。
キャッシュされたデータ量が指定した値に達すると、新旧問わずキャッシュされたTTLを強制的にゼロ(消去)します。

options {
(省略)
    max-cache-size      60M;
(省略)
};


上記ではキャッシュに利用するメモリサイズを60Mに制限しています。デフォルトでは無制限となっています。



2 キャッシュに残すレコードのTTLを短くする。
TTLの値はそもそもレコード側で記述されていますが、キャッシュ側でレコードの値を書き換えます。
max-cache-sizeで制限すると新旧問わずレコードが消去されてしまいますが、メモリに限界があるときにはTTLで制限するという手法が好まれます。

TTLを制限するには、named.confのoptionステートメントに
「max-cache-ttl(キャッシュのTTLの最大値)」
「max-ncache-ttl(ネガティブキャッシュのTTLの最大値)」
「cleaning-interval(TTLが切れたレコードを完全に削除する)」
を設定します。

options {
(省略)
    max-ncache-ttl      300; ネガティブキャッシュのTTLを5分にする
    max-cache-ttl       600;  レコードのTTLを10分にする
    cleaning-interval       15;  キャッシュのクリーニングを15分間隔で行なう
(省略)
};


デフォルト値は、max-cache-ttl が 604800(1週間)、max-ncache-ttl が10800(3時間)です。
キャッシュしたレコードのTTLが設定した値よりもともと短かった場合はそちらが適用されます。


3 同時に再起問い合わせを受け付けるクライアント数を制限する
同時に多数の再起問い合わせを受け付けると、DNSサーバはそれだけ多くのメモリを消費することになります。同時に再起問い合わせを受け付けるクライアント数を制限するには、named.conf のoption ステートメントに「recursive-clients」を指定します。

options {
(省略)
    recursive-clients   400;
(省略)
};



デフォルト値は1000です。つまりデフォルトでも同時に1000を上回るクライアントからの再起問い合わせは受け付けないようになっています。大規模なDNSサーバでもなければそれほど多くのクライアントから同時に再起問い合わせを受ける事は無いと思われますが、ワーム攻撃によって問い合わせが急増するケースもあります。また、再起問い合わせは意外と多くのメモリを消費します。

例えば、1000のクライアントから同時に再起問い合わせを受け付けた場合、約20Mバイトのメモリを消費すると言われています。



本日はココまで!
今日覚えておいてもらいたい事項は以下のとおり!

・DNSのメモリ消費量を制限する方法は以下の3通りある。
①「max-cache-size」でキャッシュの最大値を指定できる。キャッシュされたデータ量が指定した値に達すると、新旧問わずキャッシュされたTTLを強制的にゼロ(消去)になる。
②「max-cache-ttl」でキャッシュに残すレコードのTTLを短く出来る。
③「recursive-clients」で同時に再起問い合わせを受け付けるクライアント数を制限できる。





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